私は一部上場の大手といわれる製薬会社に36年間勤務してきました。ですので私のスタンダードは、この会社で経験したものがベースになっています。
やっていた仕事はMR(エムアール)、お医者さんに薬を宣伝する営業マンです。
20~30年前ですから、夜討ち朝駆けの営業スタイル。
休みの日は接待ゴルフか事務所でたまった内勤事務の処理。
長時間労働が当たり前の世界でしたが、49歳の時に会社で突然倒れ、それからしばらくしたらなんと肝臓がんが見つかりました。
長時間労働と発がんは因果関係があるのでしょうか、ストレスがたまった体は免疫が落ちてガンが出てくる可能性もあるのかなと思いました。
定年退職して社会保険労務士として独立し、事務所経営を始めました。開業に際し決めていたことは、私のように長時間労働で健康を害する人が出ないよう、自身の経験をもとに関与する会社を少しでも健康的な職場に変えるべく、働きかけていくことでした。
社労士がコンサルするのは会社の労務管理全般ですが、中小零細企業では当然されていなければならない労務管理が、ちゃんとできていないことが本当に多いのです。
加えて、そうしなければいけないというルールを社長さん自身がご存じない場合もあり、無意識のうちに労働法違反をしている事例もよくあります。
この事を社労士として、「~しちゃだめですよ」「----が労基法上必要です」と言っても、ことが起こらないと必要を感じない社長さんにとっては、うるさいだけで聞く耳を持たないものです。