毎日ビジネスブログ No.1491
社員を笑顔に変える
頑張る社長の熱血サポーター
“奥ママ”こと
奥田 文祥(おくだ ふみよし)です
経営者の皆さんに
労務のお役立ち情報を発信中!
世間ではゴールデンウィークが
始まっていますが
連休突入前の4月26日
最高裁で注目すべき
裁判がありました
社員同意の無い配置転換は
職務限定採用では違法だ!
という判決です
通常、正社員採用なら
入社後の仕事は限定されていません
事務職かもしれないし
営業かもしれない
希望ではない
職種や配転があっても
違法ではないんです
ただし、
近年、多様な働き方を
認める流れの中で
職務限定正社員や
勤務地限定正社員という
形態が出て来ました
読んで字のごとし
職務限定正社員なら
採用や入社時の労働条件提示で
入社後に就く職種・職務を
双方の同意のもとで限定
しているわけですが
ある滋賀県の会社で
こんな職種限定と思われる
正社員の方に
事前の打診もなく
全く別職種に異動を命じる
内示が出されました
これに対してこの方は
と会社を訴えたわけです
この社員さんは他の人では
できないスキルをお持ちで
18年間同じ職場で
その業務をされていて
技術職として就労させる
暗黙の合意があったと
1審でも認定されています
ただ
この配転命令には
理由がありました
この特殊業務の廃止です
だから会社側は
解雇を避けるために他業務への
異動を命じたので
1審の京都地裁、2審の大阪高裁
いずれも
会社側の配転の必要性を重視し
適法としました
このときは私も
と思いましたが
今回の最高裁では
1審2審の判決が否定され
限定正社員に対しては
使用者は該当社員の同意なしに
配転を命じる権限は有さない
と、最高裁で初めて明確に示され
であり
賠償責任の有無を検討するよう
大阪高裁に審理を差し戻しました
この決定のバックボーンには
2008年から施行されている
労働契約法があります
会社と労働者は対等な立場なので
労働契約の変更には双方の同意が必要
というのが基本の考え方です
なので
このケースのように
対象社員の同意がなければ
異動命令は違法である
というわけです
ただしこの
「職種限定正社員」や
「職務地限定正社員」のいずれも
その性質・内容を就業規則に
明示して社内周知する必要があります
また、会社側は
今月から始まった
労働条件明示ルール変更の通り
入社時の職種・勤務地と
その将来の変更の範囲を
明示する必要もあります
限定社員制度を
導入していないなら
今回の判決は関係ない
わけではありません!
労働条件通知書に
将来の変更の範囲を明示していたら
それに制限されます
会社名 | みなと元町社労士事務所 |
---|---|
住所 |
〒650-0023 神戸市中央区栄町通2丁目4-13神栄ビル502 マップを見る |
定休日 | 土・日曜・祝日 |
営業時間 | 9:00〜17:00 |